ブルースクリーン頻発のWindows10 PC対処方法(今回はintelppm.sys起因)

<2022/4/29に一部追記・修正(変更内容は末尾)>

概要

先日家族のノートPCがブルースクリーン(以降、ブルスク or BSOD)を頻発し、まともに使えなくなっていたので色々調べて直した話です。


結論から書くと、バックグラウンドで実行されたWindows UpdateとCPU省電力機能に関係するintelppm.sysが原因であり、レジストリでの実行停止とintelppm.sysのリネームで解決しました。


更にWidnows10 PCの一般的な「問題発生時の対処方法の流れ」を書いてみました。

問題対処方法に興味がなく、intelppm.sys不具合対処方法が知りたければ対処方法の所だけ御覧ください。


問題のPC

型式:Dell Inspiron15 3581(+4GB & SDD増設)

OS:Windows10 20H2

購入時期:2019年1月

Inspiron15 3581(このモデル、外観が汚れやすい😩)

問題発生時の状態
  • PC所有者によると問題発生直前に特に何かのソフトをインストール/アンインストール等していないとのこと

  • OS起動して少し経過後(約20分以内)にブルスク(時々自動再起動せず)

  • アプリケーション動作中やインストール/アンインストール時はブルスク発生せず


問題(intelppm.sys不具合)への対処方法

後述のリンク先を参考に、以下対処方法のいずれかを行いましょう。

  • レジストリの値を変更してintelppm.sysの動作を停止する
  • intelppm.sysを別名にリネームして動作できないようにする
  • intelドライバー再インストール


おすすめは最も簡単に対処できる1番のレジストリ値変更であり、それだけは本記事にも追記しておきます。

  1. Win+Rを押して「regedit」と入力しEnter(ユーザーアカウント制御のダイアログが出たら「はい」をクリック)
  2. HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Intelppm に移動
  3. Startの値を3(環境により初期値は異なるかも)から 4に変更。
  4. 書き換えたら再起動して不具合解消しているか様子見(これで解決しなければ、そのBSODは別要因と思われます。)

Startの値を3から4へ変更


本対処方法に関して参考にしたのは、(英語ですが)以下リンクになります。

英語が読めなくても手順に従って作業していけばintelppm.sys不具合への対策ができると思います。 場合によってはGoogle翻訳等のネット翻訳サイトを使って読んでください。

www.thewindowsclub.com


問題発生時の対処方法の流れ

PCトラブルに限らず現状把握が問題対処の第1ステップです。

現状把握のため以下作業項目の(1)~(5)での現状把握を行いましょう。

(1)~(5)の作業で原因特定できれば解決に向かって作業すればよいですが、そうならなかった場合は(5)~(7)の順に試していく事になると思います。


(1) ブルースクリーン情報読取

(2) 信頼性履歴の表示

(3) イベントビューア

(4) Windows Update履歴確認

(5) PCハードの安定性テスト

(6) Windows修復インストール

(7) Windows新規インストール



(1) ブルースクリーン情報読取

最も単純ながら最重要な作業です。結果的に今回もこれから解決に繋がりました。

メモ書きやスマホ撮影(QRコード読取)等で”エラーコード”と”失敗した内容(プログラム名)”を記録しましょう。 "失敗した内容"が出ない事もありますが出ている場合は、問題がPCハード起因で無ければネット検索により解決する事が多いです。


自動再起動によって読み取れない事がよくありますが、ブルスクが頻発しない状況であればOS起動後に”(3) イベントビューア”を用いて読み取る事もできます。 またはWIndowsの最小メモリダンプを読み取るツール(BlueScreenView 等)を使って再起動後に読む方法もあります。


今回の場合、以下多数のエラーコードが出たものの、失敗したプログラムファイル名が全然出なかったため原因特定に時間がかかりました。 しかしWindows修復インストール試行中に出たブルスクでたまたまintelppm.sysが出たため解決できました。


  • DRIVER_OVERRAN_STACK_BUFFER

  • KERNEL_SECURITY_CHECK_FAILURE

  • KMODE_EXCEPTION_NOT_HANDLED

  • SYSTEM_THREAD_EXCEPTION_NOT_HANDLED

発生ブルースクリーン(BSOD)の一例


(2) 信頼性履歴の表示

「コントロールパネル」→「セキュリティとメンテナンス」→メンテナンスの「信頼性履歴の表示」をクリックすると表示されます。

問題PCでは以下のように8/23にから急に重大エラー(赤丸にバツマーク)が増えた事がわかり、その日に何かあったと推定できます。


(3) イベントビューア

タスクバー左下のWinボタン→WIndows管理ツール→イベントビューアで起動します。 (2)の作業で問題発生時期が分かっているので、Windowsログ→システムからその辺の時期の重大エラーを探して詳細内容を確認します。 該当エラーログの”ソース名”と”イベントID番号”をネット検索しましょう。


(4) Windows Update履歴確認

バックグラウンド処理され、いつの間にかPCの安定性を損なう事があるWindows Updateがいつ動作したかを調べます。


「Win+I」を押し、「更新とセキュリティ」をクリック。

「更新の履歴を表示する」をクリックして一覧の実行時期を確認していきます。


作業(2)で8/23から問題PCの調子が悪くなった事が分かりましたが、どうも下図のWindows Updateが問題発生要因だと分かりました。 更にそこから調べたところ、Intel Systemは一旦インストールされると復元不可能のようでした。


(5) PCハードの安定性テスト

ソフト起因のエラーであれば大体(1)~(4)で何らかの原因特定はできる場合が多いと思うのですが、わからない場合はPCハード不具合の可能性があります。


HDD不具合は遅延書込み失敗等の特徴的なエラーが出やすいので比較的特定しやすいと思いますし、SSD不具合はブルースクリーン頻発する前に突然死するんじゃないかと思います。いずれもS.M.A.R.T等の情報からデバイスの健康状態が分かる場合が多いです。


特にDRAMメモリのハード不具合の場合、ブルースクリーンのエラーコードが多数になる事が多く、またブルースクリーンが特定タイミングのみならずランダムに発生する事があり、その場合は非常に厄介なので安定性を調べる必要があると思います。

ちなみに電源やマザーボードが悪い場合は、何やかんやで最終的にOSやBIOSすら起動しなくなってしまう事が多い気がします。


ということでMemTest86を使ってメモリ安定性(と総合的PC安定性)を調べます。

Free版で十分なので以下サイトからダウンロードしてUSBメモリに展開後、PCブート先をMemTest86にして起動しましょう。

www.memtest86.com

経験的には2回程度パスすれば十分だったりしますが、4回実行してエラー無しの場合は下図のようになります。


エラーが出た場合はおとなしく修理に出すか、新しいメモリを購入して交換しましょう。


(6) Windows修復インストール

作業(5)以降はもはや原因特定できず、ほぼお手上げモードです。

運を天に任せて修復インストールから始めましょう。 個人データは常日頃バックアップしておくべきですが、修復インストールが上手くいくのなら、まあ大丈夫です。

修復インストール方法はネット検索でたくさん見つかると思うので割愛します。


(7) Windows新規インストール

恐らく最終手段でしょう。

自分でインストールしたアプリケーションの設定や、個人データは全て保存してから行いましょう。 ブルースクリーン頻発で保存も難しい場合は、インストール前にインストール用ディスク起動でコピーを行う等方法があると思います。

新規インストール方法もネット検索でたくさん見つかると思うので割愛します。

おわりに(愚痴)

以前(感覚的には5, 6年以上前)に比べてGoogle検索結果が尋常でないレベルで劣化しています。 そのためPC不具合に関するGoogle検索結果の上位には、日本語が不自由な怪しいサイトが出てきており、ある程度のPCリテラシーが無い人でないとPCトラブルに対応できなくなってきているように感じました。

寒い時代になったものですね😢


<2022/4/29に一部追記・修正>

・「問題(intelppm.sys不具合)への対処方法」を概要の次に移動&内容追記

・2022/4/18に上述PCにKB5012599, KB890830, KB2267702の3件がWindows Updateでインストールされた直後から、 以前起きたBSOD問題が再発しました。改めて確認したところintelppm.sysに関わるStartのレジストリ値が3に戻っていました。 どうやら上の何れかのKB***によって、件のレジストリ値が書き換えられてしまったようです。

<2022/5/6に4/29追記文章微修正>


以上おわり